ここではスラロームの調整の方法を書きたいと思います。基本的にはステッパのマウスを想定しています。あと、この記事ではスラロームというのは斜め走行に必要なターンではなく、純粋な90degターンのことを指すものとします。さて、順を追ってみていきましょう。

大前提: 物理量ベースになっている && 角速度と速度を指定したらその速度で走ることができる && 等加速度での加減速が問題なくできる

長い距離を制御を切った状態で走らせて、距離ずれがないかを確かめましょう。制御を切るのが重要です。この段階で距離ずれがあるならば、この後の段階でいくら調整をしても意味がありません。長い期間調整をしていると、タイヤが削れてタイヤ径が変わってきます。タイヤ径はマクロか変数にするなどして調整ができるようにしときましょう。ステッピングモータを使っているならばよほど速度を上げない限り、ピッタリ合うはずです。(速度を上げると少しずれます,それでもほんの少しです。)16区画直進をして、ピッタリ合うくらいに合わせてください。

超信旋回を3600degほどさせて(つまり10周)ずれがないか確かめます。また、正回転、負回転どちらもさせてみましょう。少し挙動が違う可能性があります。違うなら別々に補正をかけると良いでしょう。まあ、少しくらいの正方向、負方向のずれなら大丈夫です。低い角速度で回してピッタリに合うようにしても、角速度を上げていくと少しずつずれてきます。しかし、ずれたとしてもそれは3600degで45degつまり、90degなら1.125degほどです。ステッパならば低い速度ではピッタリ合わせなくてはだめです。

やっとターンの調整に入ります。もし上の二つのものがずれていたらターンの調整をしても、あまり意味がないです。だから、本格的に調整をする前には必ず上のstepを踏んでください。というのは曲率をうまく使うと、論理的には一つの速度でスラロームを作ると他の速度でも同じ軌跡をたどらせることができるからです。根本がずれているとこれはできません。(しかし、私のマウスでは滑ってしまいできませんでした。)

3ｘ3のスペースを作ります。そこを何周かさせましょう。このとき制御は切って下さい。制御ありでやったらまったく調整の意味はありません。3周くらいさせて角度を合わせます。何度も回して角度をピッタリに合わせましょう。(90deg回すところを89degにしたりして)実際、ターン速度が遅いうちはstep2をちゃんと踏んでいれば角度は合うと思います。しかし、ターン速度が速くなるとどうしても滑るので、滑り込みで調整する必要があります。(ある程度の速度までならスリップする角度には再現性があります。)

スラロームの前後の直進距離をあわせます。ノギスなんかでずれを計ってすこしずつ合わせていきます。これで前後の距離がピッタリになったら、もう一回3ｘ3のスペースを何周かさせてみます。これでピッタリ合ったら調整終わりです。何周も回してみるとずれがよくわかると思います。

さあ、ここまでの調整で軌跡が完璧になっていたらどんな迷路でも走れるはずです。Let's make 鬼畜な迷路!! 特に次の三つの種類の迷路で試すのが重要です。また、長めの迷路で試すのがいいと思います。小さい迷路だとずれの累積がわからないですから。

みんな大嫌いな串迷路です。

斜め走行ができたらいいなと思うような、ぎざぎざした迷路をつくりましょう。同じ方向にスラロームをし続けるとずれがかなり累積します。

壁が少なくていろいろな方向に振り回されるのもきついです。

本番できっちり走るには、絶対に出るはずのないわけのわからない迷路で走れるようにすればいいと思います。本番の迷路を見て「何これ普通じゃないか」って思えたら儲けものです。さあ、みんなの感覚がマヒするような鬼畜迷路を作りましょう。後、経験的に言うとターン速度が500mm/sくらいまでならいくら走ってもずれないってくらい完璧に合わせられます。それ以上になると滑ってくるかもしれません。