簡単に開発環境を作るのであれば、RIDE7を使うのが良いと思います。
ただし、日本語の表示や編集に不安があるので、ここではEclipseというJava用の開発環境を使って開発環境を整える方法を説明します。
また、Eclipseで開発環境を整えると、GNUToolsに触れる機会もあり、勉強になると思います。
まず、http://www.eclipse.org/downloads/からEclipse IDE for C/C++ Developersをダウンロードします。
これは、元々Java用の開発環境であるEclipseを、C/C++の開発用にカスタマイズ(プラグインを導入)してある物です。
ダウンロードしたzipファイルを解凍すると、eclipseというフォルダが出てきます。
このフォルダをeclipse_armと改名して(eclipseは他の用途でも使うかも知れないので)c:\下にコピーします。
ここで、c:\eclipse_arm\以下にeclipse.exeファイルが見えていればOKです。
早速eclipseをいじりたい所ですが、その前に他に必要になる物を集めます。
Eclipseには、コンパイラが付属していません。
そこで、ARMマイコン用のプログラムをコンパイルできるコンパイラを導入する必要があります。
これにも様々な種類がありますが、ここではCodeSourcery G++ Lite Edition for ARMを使用します。
上のリンク先のTargetOSがEABIとなっている物をダウンロードしてインストールしてください。
インストールする時に、インストールフォルダを選べますが、これを「C:\gcc_arm」に変更します。
他はそのままでインストールを続けてください。
この記事を執筆した時点でのそれぞれのバージョンは、
Eclipse
Version: Helios Service Release 1
Build id: 20100917-0705
(Help→Aboutで表示)
CodeSourcery G++ Lite Edition for ARM
2010.09-51
でした。
まず、eclipse.exeを開いてください。
すると、ワークスペースを選べという画面が出ると思うので、ここではC:\WorkSpaceを(作成して)選択します。
下にあるチェックボックスには好みでチェックを入れると良いと思います。
Eclipseが正常に立ち上がるのを確認したら、一旦Eclipseを終了します。
ここでEclipseが正常に起動しなかった人は、JDKをインストールしてみましょう。
次に、C:\eclipse_armフォルダ内でファイルを新規作成し、テキストファイルを作ります。
作成したファイル名を、eclipse.batに変更し(警告は無視します)、右クリック→編集で開きます。
メモ帳か何かで開かれると思うので、
PATH="" eclipse.exe
と書いて保存し、ダブルクリックで開きます。
すると、
のようなエラーが出ると思います。
そこで、Windowsのファイルの検索から、javaw.exeを検索します。
今回は、「C:\Program Files\Java\jre6\bin」内に見つかったので、先ほどのeclipse.batを
PATH="C:\Program Files\Java\jre6\bin;" eclipse.exe
に変更し、eclipse.batを開いてeclipseが立ち上がる事を確認します。
次に、.batファイルをもう1段階変えてやります。
PATH="C:\Program Files\Java\jre6\bin;C:\gcc_arm\bin;" eclipse.exe
これで設定は完了です。
以降は、Eclipseを起動と書いた場合、eclipse.batを実行する事を指します。
次に、PATHが正しく設定されているか試します。
Eclipseを起動して、File→New→C Project を選択します。
Project name を、「TestProject」とします。
同じ画面の Project type で Makefile Project→ Empty Project を選択します。
同じ画面の Toolchains が –Other Toolchain– となっている事を確認し、Finishをクリックします。
画面の左にTestProjectが表示されるので、それを右クリックし、New→Fileを選択します。
Filenameを「Makefile」として保存します。
Makefileを開き、次のように編集して保存します。
.PHONY: version version: arm-none-eabi-gcc --version
arm-none-・・・・の前の空白はTabである必要があります。
次に、Project→Properties を開き、以下のように編集します。
設定したら、右にあるMake Targetから、TestProjectを右クリックし、NewでMakeTargetを作成し、以下のように編集します。
出来上がったversionターゲットをダブルクリックし、以下のように表示されれば設定は問題なく行われています。
**** Build of configuration Default for project TestProject **** cs-make version arm-none-eabi-gcc --version arm-none-eabi-gcc (Sourcery G++ Lite 2010.09-51) 4.5.1 Copyright (C) 2010 Free Software Foundation, Inc. This is free software; see the source for copying conditions. There is NO warranty; not even for MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.
これで、とりあえずコンパイラが使える環境が整いました。